改正後過払いはなくなる

2010年6月に完全施行された改正貸金業法によって、出資法の上限金利も利息制限法の上限金利と同じ20%まで引き下げられましたのでグレーゾーン金利が発生しないようになりました。

以前は債権会社の多くがこのグレーゾーン金利で貸付を行っていた為、過払い金の発生するケースが多くなっていましたが、改正後新に借入をした際には、利息制限法の金利(借入金額により利率の上限が異なります)とほぼ同じに設定されると考えられますので過払い金が発生しないことになります。

また、改正前にグレーゾーン金利で借入をしていた際には、改正貸金業法後過去の金利に適用されるわけではありません。取引があった場合は利息制限法に基づき引き直し計算を行う必要がありますので注意しなければなりません。

■改正前の過払金返還請求はできる

貸金業法が完全施行されたことによって今後の取引については過払い金が発生することはなくなりましたが、既にクレーゾーン金利で取引があって利息制限法に基づき引き直し計算をした結果過払い金が発生していた場合、改正された後でも過払金返還請求をすることが可能です。完済している場合でも、消滅時効(最終取引から10年以内)が成立していなければ過払金返還請求できますが、時効後ではその権利は消滅します。

ただ、改正貸金業法が完全施行されたことによって債権会社への規制が強化され消費者金融などの債権会社の業績が悪化していますので、過払金請求しても満額回収ができなかったり、倒産などで回収が不可能になってしまったりするケースが増えてきているようです。

ですので、過払金返還請求をする際には早めに専門家にご相談することをオススメします。

自己破産とは

■自己破産とはどんなものか
自己破産というと以前は非常にネガティブなイメージが強かったものですが、最近はもっと気軽な気持ちで「自己破産」という言葉を口にすることができるようになりました。自己破産について制定した法律には1922年(大正11年)に制定された「破産法」というものがありましたが、2005年1月1日からは大改正された「新破産法」が誕生し、自己破産をした人でも新たに人生をやり直すことがよりたやすくなりました。

自己破産とは多額の借金によって経済的に破綻してしまい、いくら努力をしても返済が不可能だと裁判所が認めた場合に行うことのできる手続きのことで、「債務整理」方法のひとつです。

この自己破産の申し立ては債務書が自ら行うもので、これに対して債権者が申し立てを行った場合には「自己破産」ではなく単に「破産」と呼んでいます。

■同時廃止と少額管財
自己破産には「同時廃止」と「少額管財(しょうがくかんざい)」という2つの種類があります。同時廃止とは高額な財産(具体的には20万円を超える財産)がない場合に取られる措置で、破産手続開始決定と同時に破産手続が終了しますので、免責手続を行うだけで済みます。

これに対して少額管財は自己破産をする人に20万円を超える財産がある場合、個人事業を行っている場合、または「免責不許可事由」がある場合に取られる方法となっています。免責不許可事由とは「名義などを偽って行った借金」「裁判所から定められた日に理由もなく出頭しないなどの不誠実な態度」などのことを指します。

破産管財人が財産や免責不許可事由の有無を調査する手続が必要となりますので、同時廃止よりも要する期間が長くなってしまうという特徴があります。

債務整理、仕事やその他への影響はあるのか

■債務整理の仕事への影響
債務整理にはいくつかの種類がありますが、中でも任意整理や特定調停を行った場合は会社に知られる事はありません。これらの債務整理は自分が主体となって、間に入ってもらう簡易裁判所や司法書士等のプロに依頼を行います。裁判所から会社に連絡が行くケースもほとんどありません。

任意整理や特定調停を行った場合は会社に知られる事もほとんどありませんので、もちろん会社を辞める必要はありません。自己破産や個人再生を行った場合は官報に掲載されてしまいますが、会社の方が官報を見る確率は非常に低いと言えます。その為、会社に知られてしまう可能性はほとんどありません。また、自己破産は戸籍や住民票に記載される事もないのです。

万が一、債務整理を行ったことが会社に知られた場合でもそれを理由に会社を解雇される事はありません。しかし、それがもとで会社に居づらくなってしまい自ら退職をするケースも少なからずあります。

■自己破産を行った場合の仕事への影響
任意整理や個人再生であれば特に職業に影響はありません。しかし、自己破産を行った場合は選挙権や被選挙権等の公民権は喪失しませんが、弁護士や公認会計士、司法書士、税理士、行政書士、宅地建物取引主任者、警備員、生命保険の外交官等の職種だった場合、破産手続きを行っている数ヶ月間は資格を制限されてしまいます。

個人再生と自己破産を行った時に給与の差し押さえをされた場合は、もちろん会社に知られる事になります。また、申し立てを行った時点で勤務している会社に5年以上勤めている場合、その会社を辞めた場合の退職金がいくらになるかを証明してもらわなければなりません。

その為、退職金証明の書類を作成してもらう段階において会社に借金を行っている事情を話さなければならない状況になります。よって、その場合に会社における影響が無いとは一概には言えないようです。また、退職金の4分の1から8分の1程度の金額を債権者に渡すように指示されます。

■取り立て業者による損害に対して
万が一、取り立てが会社にまで来た場合は貸金業規制法違反になります。また、仕事に支障が出る場合は業務妨害法が成立しますので直ちに警察に通報することをおすすめします。

金融行政庁に対してサラ金業者の業務停止、登録取り消しを求める行政処分の申し立てを行う事ができます。それでも効果のない場合は裁判所に取り立て禁止の仮処分を申請する事ができます。

損害を受けた場合には当然ですが損害賠償請求を行うことができます。弁護士や司法書士に債務整理の依頼を行えば、債権者からの請求を止める事ができます。